職員メッセージ

おひさまdekiru Studyの指針

 学校の中には通常の学びではわかりにくい児童が4.5%位はいると言われています。

 LD、ADHD、自閉スペクトラム症、知的障害のある子、診断名はなくても著しく学習困難がある子がいます。

 まず、漢字が覚えられない子は、たいていの場合カタカナにつまずいていたりします。

 10までの数の概念の習得に時間のかかる子は、筆算での手順を覚えるのに時間がかかる子。

 九九を覚えるのに4と7の段がとても覚えにくい子、わり算の始まった頃にはかなりの部分を忘れてしまう子。

 その他、さまざまな教科や単元で自分の努力だけではクラスのみんなと同じように習得することが難しい子がいます。

 一日の中でも学校にいる時間は長く学習に困難のある子どもは学習に自信を失い、自分の価値を学習の結果で推し量ってしまいます。発達障害を持つ児童には「良いところを伸ばして」と言うのですが、おひさまに通われていた学習障害の診断を受けている子どもさんは、絵画では高い評価を受けて学校の絵画コンクールで表彰されても「ぼくは絵なんかで褒められたくないんだ」と言いました。いくら褒めても笑顔にはなりませんでした。学習面で特異な困難を抱えていると、学習に対しての自己肯定感はどんどん下がります。

 私たちは、笑顔で学校に通う事と将来必ず必要になる単元を習得することを目的としております。

 学習の基礎となる国語と算数を主に大人になった時に、就労や生活に困らない事に焦点をあてて色々な手立てを用意しております。(取得には個人差がございます。)

 この力をアセスメントし見立ての材料として、ゆっくりと学習に向かう力を養っていきたいと考えております。

管理者・児童発達支援管理責任者 林 由美子

子どもの「できた!」が「できる!!」になるまで

 様々な学習への躓きを感じている子どもたち。理由は様々。手先は? 見え方(視機能)は? 物事のとらえ方(認知力)は? 未学習? 既習したが未定着 などなど.....

 その困難さを解消する手立てはバラエティーに富んでいます。そしてその手立ても1.2回でクリアできることから10回、20回いやいや100回もとことん付き合ってやっと少し兆しが見えてくるなど課題によって違ってきます。当然、児童によっても大きく異なります。

 学校というところは、どうしても全体指導の学び場です。子どもの壮絶な努力で何とか学習に追いついている児童も、本来の苦労や苦難に気付かれずに見過ごされ、適切な支援をされぬまま、その努力でもカバーできなくなった時、「怠けている。」や「前はできていたのだからやればできる子。」などとこれまでの努力は評価されず現状を否定されてしまいます。

そうして学習へ挫折し、学ぶことから逃げてしまったり、自己肯定感を低下させてしまうリスクもあるのです。さらに低学年のころから学習への困難さを感じながらも周りに受容されず、本来クリアすべき課題をクリアしないまま高度な学習を求められてしまう児童は、楽しく学ぶ、「勉強って面白い! 分かるってうれしい!」などを経験せず、ただ勉強嫌い、つまらないものになってしまいます。

 おひさまdekiru Studyでは、そうした子どもたちばかりではございませんが、今すべき課題に着目しフォーカスを絞って、一つひとつ「できる!」を増やし、自己肯定感を高めながら「学ぶ楽しさ。」を感じられるよう教材、課題を用意しています。そして「できた!」から「もっと分かりたい。」「もっと勉強したい。」という気持へつなげ何度も何度も、繰り返し繰り返し学習し、定着を図り、「先生、もう大丈夫!できる!!」と言えるように一つひとつ確実に課題をクリアしていきます。

 さて、その中で私中﨑は、保育所保育士時代の経験や特別支援教育学習支援員としての現職を活かし、「学習=鉛筆とプリント」という固定概念を取っ払い、学習へ拒否感を感じている児童、書くことにとても抵抗がある児童にも抵抗なく課題に取り組めるよう、特別支援学級でされている特別支援のような学習を中心に具体物を用いて実際触って確かめたり、カードや言葉を用いて楽しみながら学習に取り組みます。

例えば、文字がうまく読めない児童には、漢字は読めているのか。 カタカナの理解はどうか。 ひらがなは理解できているか。 単語(音韻)はどうか。 語彙の理解や量はどうか。 視機能はどうか。 などと一つひとつ段階を戻り、どこに課題があるかを見極め、そこにフォーカスを当て、課題を設定し、教材を準備します。

 そして視機能に課題のある児童が多く見受けられますので、ビジョントレーニングに取り組みや、補助具の提案を行っています。

 「できた!」時の笑顔、そして「できる!!」という自信にあふれたたくましい表情を一人でも多くみられるように日々研究しています。

主任 中﨑 優樹

「国語の苦手を治すのは難しい?」 「国語力が伸びることを信じて・・」

 私は、国語力について、何年も前から、持って生まれた力が主に左右すると思い込んでいました。

国語力を伸ばす事は、他の教科を伸ばすことより難しい。そんな考えを持っていました。

 ここおひさまを訪ねてこられる保護者様は、かなりの割合でお子さんの「読み書きの苦手さ」を主訴としておっしゃいます。そこで、文字の読み書きに限定した困難を持つ障害として『ディクレクシア』が考えられますが、これは知的能力の弱さや勉強不足が原因でなく、脳機能の発達に問題があるとされています。

≪原因として考えられること≫

*音韻処理の問題(音韻処理に困難があり表記された文字とその読みの『音』の対応が自動化しにくく、それを司る機能の発達が未熟であるとされています。特に小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」伸ばす音「う」「-」等の特殊音節等音韻認識が弱くて、読むことが極端に遅く、よく間違う。1文字読むのに時間がかかり読むだけで疲れてしまう。意味把握が難しい。)等があげられます。

 そこで、ディスレクシアの原因を踏まえて、わたくしたちの使命として、出来る限りの手立てを用い、子どもたちへの支援を行っていきます。 

【支援方法として】

 現在、小学生以上の子どもにお勧めしておりますのが 『多層指導モデルMIM-PM』 です。これは特殊音節に焦点を当て、文字や語句を正しく読んだり書いたりできるようになることを狙いとしております。

 スタディの子どもたちは、『これならできる。』と取り組みも習慣化し課題に向かっています。特に、低学年で取り組むことで症状を緩和出来る可能性が持てると言われています。

 又、T式ひらがな音読支援(二段階方式)のアプリを取り入れ、単音の音読(第一段階)、単語の音読練習(第二段階)を行っております。第一段階では、文字とその読みとの対応困難を緩和する解読指導、第二段階では、語彙を充実させることを狙いとした語彙指導です。

≪ディクレクシアの他の原因として≫

*視覚情報処理の問題(目で見てそれを認識すること:ディクレクシアのある方は文字の見え方が通常とは異なると言われています。)

【支援方法として】

 文字を大きくしたり、読むところだけ見えるように窓を作って見せたり、色付きの透明下敷きでカバーして見せたり等個人に合わせて補助具を使っています。又、パソコンの読み上げ機能も利用しています。

 前述のように子どもたちは努力を継続していくことで、子どもたち自身の可能性がひろがります。読みが出来る。読みが流暢になる。文章の読み取りが出来るようになる等、これらの力が国語力の土台になります。スタディの目指すところは、子どもたちの「一つできた。」の自信を作る事です。                 

 子ども各個人への適切な支援を行うことによって、困難の度合いを少しでも軽減できることを信じて子どもたちと共に努力を重ねてまいります。

課題主任 水瀬 久美子

パソコンを学ぶ意義を考える

 パソコンは何のために学ぶのか?という疑問を、プログラミングまで義務教育に組み込まれた現在、一度は浮かべたことがあるのではないしょうか。時代の変わるスピードが速い現代においては、『なんとなく必要そう』で終わらせず、パソコンの意義を真剣に考えてみることは重要だと考えます。

 人間は生物学的には、少なくとも10万年前から大きく変わっていません。しかしそれで満足できなかった人間たちは、歴史の中で様々なテクノロジーを生み出しました。鋭い爪や牙の代わりに刀剣を生み、速い脚の代わりに自動車を発明し、本来の身体以上の能力を、テクノロジーの力で拡張してきました。

 それではパソコンは、身体の何処を拡張するテクノロジーなのでしょうか。その担当は、脳だと答えられます。そもそもコンピュータは誕生の歴史において、人間の知性、思考能力を拡張するという理念で開発されてきました。そして現在の使われ方も、大きく外れてはいないと思います。

 現代社会においては自動車や交通機関を、自分の『足』として使うことは当たり前になっています。それと同じように、書けない漢字をパソコンで選んで変換する、紙では読めない文をタブレットの読み上げで聞き取ることは、コンピュータを自分の『脳』として使うべきこの時代において、決して楽をしている訳ではないのです。

 その上で改めてパソコンを学ぶ理由に立ち直ると、それはテクノロジーを自分の力の一部とし、考える力を引き上げるため、だと言えるでしょう。

 さて、前置きのつもりが熱くなってしまい、肝心のパソコン教室の紹介があまり書けませんが、パソコン教室では社会で役立つ能力を伸ばす課題を子どもに合わせて用意し、日々取り組んでもらっています。毎週火・金でSTEP1~3の3枠ございますので、気になる方はぜひ、お問い合わせください。

パソコン教室担当 角川 知

将来につなげる支援を

 「特別支援」と聞くといつも思い出す出来事があります。それは、身体に障害を持つ長男の発達検査の結果を聞いた時でした。

 手足の機能は使えず、発音も不明瞭な息子ですが、検査する方がくみ取れば理解できるであろうと思っていました。

結果は、はっきり聞き取れないため正解にならないという判断でした。聞き取れないなら、「絵を押える」や「文字を押える」などの代替案を提示してくれれば、と歯痒い思いをしましたが、当にその代替案こそが、この子に対する「特別支援」なのだと気づかされました。

 これを使えば自分でできる。こうすれば自分で答えられる。今、この子の自立(自分でできること)に必要な支援、教育が受けられたら、子ども自身が自分でできる方法を身につけられたら周囲の理解を得ることができ、自分に自信を持って、受け身な学習ではなく能動的な学習に変化しいくのではないかとおもいました。

 おひさまdekiruStudyのこどもたちにも「自分でできる‼」「たのしい‼」と思うことができるように必要な支援を考え実践していきたいと思っています。

 そうして習得したひとつひとつの「できる」が子どもたちの将来につながっているので、太く強くつなげられるように尽力します。

川原 善恵

「子どもの気持ちを育てる支援」

 私は地域の小学校で子どもの居場所をつくるという活動のボランティアに参加しており、放課後、空いている教室で子どもたちと過ごす中で宿題をする子どもを見ていると、『宿題』は『終わったという状態』が大事なんだと感じることがあります。

 宿題ですから「した。」「終わった。」「提出できる。」は大事ですが「全て埋まっていればいい。」「わからなければ答えを写せばいい。」というただ作業をこなして仕上げるだけの状態に出会うことがあります。本来の宿題の意味するところとかけ離れていたり、その宿題が本人に合っていないのではないかと思うこともあります。

 Studyの子どもたちには「する。しない。」ではなく、一人一人に必要な支援を考え子ども主体の「やってみようかな。」「やってみたい。」の気持ちを育てていきたいと思っています。わからないことが分かった時の喜びを一緒に体験できるように学習支援をします。

野㞍 絵里

子どもたちの信頼できる大人であるために

 私には発達障害の長男がいます。主治医(児童精神科)の先生が、いつも言い続けられていることがあります。

 それは、「基本的なことから褒めること。子どもたちが日頃何気なくしていることでも、実は1つ1つすごく頑張っているのですから、その頑張りを認め褒めてあげてください。」

 子どもは信頼できる大人と一緒に行動する中で、褒められることを積み重ね、自分を認めてくれる大人への信頼感が培われ、また居場所を得て、自分の世界を広げてます。子どもが社会に羽ばたけるためには、どれだけ大人を信頼できるかが重要です。

 私がStudyで一番に心がけていることは、子どもたちと信頼関係を築き、子どもたちが不安なく安心して過ごせることです。どんな良い療育も安心した環境の中で身についていきます。 子どもたちが何かできるようになった時や良い結果を出した時だけでなく、子どもたち一つひとつの行動の中の頑張りをたくさん認め、子どもたちの信頼できる大人として、世界を広げ、社会の大空に自信を持って羽ばたいていけるよう全力で支援します。

廣田 令子

今日の「自分」に〇をつけよう!

 私たちは日々の生活の中で様々なことを学習しています。その際、課題の処理に対して視覚優位な人、聴覚優位な人、全体を捉えて処理する人、順序に従い処理する人など、それぞれの認知特性があります。学校の学習においても、本当は個々の認知特性に合った学びのスタイルが保障されてほしいのですが、現実には特定の学習方法で効率性が優先される場面があり、「わからないまま」という消化不良が蓄積されていくケースがあります。

 でも、「おひさま dekiru Study」に通って来られるお子さんはもちろん、子どもたちは皆「わかりたい」「できるようになりたい」と強く率直に思っています。そこで大切にしたいのは、その子の得意なことは大きく褒めて次の学習への動機づけに、苦手なことは違った方法や教材、手立てで本人にフィットした学習方法を一緒に模索することです。たとえゆっくりであっても、今日分かろうと頑張った子どもたちに〇をつけてあげたいし、子どもたちも自分に〇をつけてほしいです。 「できるやん!」という〇の積み重ねが自己肯定感につながってゆきます。高校の通常学級で学習等に課題のある生徒の支援に関わって来て、そのことを痛感します。「おひさまdekiru Study」で「できる」を応援させていただきたいと思います。

本谷 淳子

知能検査・発達検査の活かし方

 病院等で知能検査や発達検査を受けたことがあるものの、「結果の見方が分からない」や、「結果をどう学習に活かせばいいのか分からない」という声をよく聞きます。中には、提出書類に発達指数や知能指数が必要だったので受けただけという方もいらっしゃると思います。

 しかし、知能検査や発達検査というのは、本来お子さんのことを多面的に理解し、支援が必要な場合はどのような支援が最適かを考えるためのツールです。検査でお子さんの全てが分かるわけではありませんが、学習や対人関係などお子さんがつまづいている理由が検査から浮かび上がりやすくなります。検査を受けっぱなしで活用できていない方は、是非一度検査結果を持って面談にいらして下さい。検査場所によっては結果の開示範囲が異なるため、検査結果から全てを説明することができないこともありますが、お子さんにとってより良い学習方法を一緒に考えていきます。

 知能検査(WISC-IV)、発達検査(新版K式発達検査2001)はおひさまでも受けることができます。ただし、これらの検査は次の検査まで1年(もしくは半年)以上空けるという決まりがあります。検査を受ける日にちが近いと検査内容を覚えてしまい、正しい結果が出ないことがあるためです。そのため、療育手帳の更新など次の検査予定と重ならないようご注意ください。また、検査を受ける理由によっては、おひさまでない方が良い場合もあります。ここまで読まれた方の中には、『日程を調整したり受ける場所を考えたりと、検査を受けるまでがなんだか大変そう』と思われる方もいらっしゃると思います。それが大変にならないように、私たちがお手伝いいたします。

 相談したいことはあるけど、困っていることがありすぎて何から相談すればいいのか分からないというときもあると思います。そのようなときも、お気軽にご相談ください。困っていることを一つずつ整理していき、解決に向けて一緒に考えていきます。

臨床心理士/公認心理師 福原 華奈